Yahoo!ニュースでも話題になりましたが、株式会社四電工の2023年6月29日の株主総会でフリーアナウンサーのナカミーで親しまれた中野美奈子アナこと戸谷美奈子氏が社外取締役に選任されました。
選任理由や役員のスキルマトリクスについて見てみましょう。
招集通知での略歴
まず、略歴です。四電工の招集通知によると、
フジテレビ入社前の平成13年1月に医療法人社団誠和会の監事に就任されているようです。
医療法人社団誠和会 中野外科・胃腸科医院という病院があるので実家が経営されているのかもしれません。
フジテレビ退社後は丸亀市の文化観光大使としても活動されています。
そして2023年4月からは「こども未来戦略会議有識者構成員」にも就任されています。
選任理由は、子育てなどダイバーシティ
続いて選任の理由も招集通知で見てみます。
「放送業界での活躍や海外生活等を通じての豊富な人脈と経験を有しており、現在は子育てをしながら地域の情報発信等に携わるとともに政府や自治体の公職を務めるなど、当社が進めるダイバーシティへの取組み等に関して有益な意見が得られると考えることから、社外取締役候補者としたものです。取締役会での発言等を通じて、中立・独立的な立場から当社の経営の監督および取締役会の一層の活性化を図る役割を期待しております。」
ダイバーシティなら、子育てしながら会社で仕事して役員になった方とかのほうが参考になりそうですが、まあ株主がよいと選任されたので、部外者がどうこう言うことではないですね。
四電工の役員のスキルマトリクス
四電工では収集通知で役員のスキルマトリクスを掲載されています。
2023年6月29日開催の第72回株主総会の招集通知ではこのようになっています。
戸谷美奈子氏は「社会・ダイバーシティ」のスキルが期待されているようです。
「社会・ダイバーシティ」は戸谷美奈子氏1人です。
社内でダイバーシティや社会貢献活動に取り組まれてきたような役員はおられないということなんでしょうかね。
そして、その前年の第71回株主総会の招集通知でのスキルマトリクスがこちらです。
なんと「社会・ダイバーシティ」は見当たりません。
これは、中野美奈子アナウンサーを女性役員増加のために選任するために「社会・ダイバーシティ」を足したんでしょうかね。
それとも、今までは「社会・ダイバーシティ」への取り組みが足りていなかったが、今後取り組むために役員のスキルマトリクスに足されたのでしょうか。
選任の賛成率はどうでしょうか
上場会社ではEDINETで臨時報告書が開示されて、株主総会での役員の選任についてはその投票数、賛成率が開示されています。
では、四電工の2023年6月29日株主総会での役員の選任議案の投票結果はどうだったのか見ていきたいと思います。
結果は、戸谷美奈子氏は96.49%とほんの少しですが他の役員と比べると低いですが圧倒的賛成率で選任されています。
ちなみに低い順に見てみると
川原央氏が82%と圧倒的に低くなっています。川原氏は四電工の株式を31%持つ大株主の四国電力の取締役監査等委員です。
どうも大株主から派遣されているというのが反対が多い理由なんでしょうかね。
ちなみに関谷氏、古川氏、山崎氏も四国電力の関係者ですが、こちらはそれほど低い賛成率ではないです。監査等委員は大株主からの派遣というのが印象が悪いのでしょうか。
次に92%とやや低い岡林正文氏は有限責任監査法人トーマツ出身の公認会計士です。トーマツ時代の平成23年3月期には四電工の監査報告書にサインしているようです。
監査していた会社の監査等委員に就任するのはルール上は問題ないんでしょうが、なんとなく天下り的なものを感じる人もいるのではないでしょうか。
それが低賛成率につながっているのかも知れません。
コメント